
この記事では、実際にカナブンを飼育した経験をもとに、飼育方法・幼虫の育て方・寿命・種類・見分け方・餌まで初心者にも分かりやすく解説します。
カナブンとは
カナブンは、コガネムシ科ハナムグリ亜科に属する甲虫です。金属のような美しい緑色の体が特徴で、日本では夏になると樹液の出るクヌギやナラの木によく集まります。見た目がコガネムシによく似ていますが、植物を食い荒らすことは少なく、樹液を吸って生活しています。
- 和名:カナブン
- 分類:甲虫目 コガネムシ科 ハナムグリ亜科 カナブン属
- 体長:約22~32mm 特徴:頭部が四角く、光沢のある緑色や銅色の体をしています。
- 分布:北海道・本州・四国・九州
- 活動時期:6~9月
- 食べ物:クヌギ・ナラ・カシなど広葉樹の樹液や熟した果実
- 生息場所:雑木林や里山、公園など広葉樹が多い場所


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カナブンの寿命はどれくらい?

カナブンは、卵から幼虫・蛹(さなぎ)・成虫になるまで約1年かかります。
成虫になってからの寿命は約1~3か月と短く、6~9月頃に活動し、秋になると一生を終えます。そのため、成虫は越冬できません。
一方、冬の間は幼虫の状態で土の中で越冬し、翌年の初夏から夏にかけて蛹になり、羽化します。
ポイント
- 幼虫の状態で冬を越す
- 卵から成虫まで:約1年
- 成虫の寿命:約1~3か月
- 成虫は越冬できない
カナブンの種類

日本には、カナブン・アオカナブン・クロカナブンの3種類が生息しています。
- カナブン:最もよく見られる種類で、緑色や銅色の光沢のある体が特徴です。
- アオカナブン:鮮やかな緑色をしており、本州・四国・九州で見られます。
- クロカナブン:黒っぽい体色が特徴で、他の2種類に比べると見かける機会は少なめです。
見た目は似ていますが、体色や光沢に違いがあります。いずれも樹液や熟した果実を食べる習性があり、飼育方法はほぼ同じです。
| 種類 | 体色 | 見つけやすさ |
|---|
| カナブン | 緑・銅色 | ★★★★★ |
| アオカナブン | 鮮やかな緑色 | ★★★☆☆ |
| クロカナブン | 黒色~黒緑色 | ★★☆☆☆ |
カナブン
- 学名:Rhomborrhina japonica
- 分布:本州・四国・九州
- 特徴:カナブンは頭部が四角いのが大きな特徴です。体色は銅色や真鍮色の個体が多いですが、美しい緑色の個体も見られます。
- 違い:アオカナブンとの違いは、後ろ足(後脚)の付け根を見ると分かります。カナブンは後ろ足の付け根が左右に離れているのに対し、アオカナブンは付け根が接近しています。
実際に捕まえたカナブンを観察すると、体色だけでは見分けにくい個体もいます。そのような場合は、後ろ足の付け根を確認すると判別しやすくなります。

アオカナブン
- 学名:Rhomborrhina unicolor
- 分布:北海道・本州・四国・九州
- 特徴:アオカナブンは、カナブンと同じように頭部が四角いのが特徴です。体色は鮮やかな緑色の個体が多く、見る角度によっては緑色から橙色や金色に輝いて見えることがあり、とても美しい昆虫です。
- 違い:カナブンに比べて光沢が強く、やや細身の体形をしています。また、後ろ足(後脚)の付け根を見ると見分けやすく、アオカナブンは後ろ足の付け根が接近しているのに対し、カナブンは左右に離れています。
私が採集したアオカナブンも、光の当たり方によって緑色から金色や橙色に輝いて見えました。写真では伝わりにくい美しさなので、実物を見つけたらぜひ観察してみてください。

クロカナブン
- 学名:Rhomborhina polita
- 分布:北海道・本州・四国・九州
- 特徴:クロカナブンは、カナブンの仲間らしく頭部が四角いのが特徴です。体色は黒色から黒緑色で、強い光沢があります。
- 違い:カナブンやアオカナブンとは異なり、黒っぽい体色が最大の特徴です。そのため、3種類の中では最も見分けやすい種類です。
体色が黒いため一目でクロカナブンと分かります。カナブンやアオカナブンのような緑色の光沢はほとんど見られず、落ち着いた黒い光沢が魅力です。
カナブン・コガネムシ・ハナムグリの違い
カナブン・コガネムシ・ハナムグリは見た目がよく似ていますが、頭の形や体の模様、食べ物などに違いがあります。特に見分けやすいのは、頭の形と上翅(羽の部分)の模様です。
| 種類 | 特徴 | 見分け方 |
|---|
| カナブン | 頭部が四角い | 頭が四角く、光沢のある緑色や銅色の体 |
| コガネムシ | 頭も体も丸みがある | 全体的に丸く、植物の葉を食べる種類が多い |
| ハナムグリ | 上翅に白い斑点や模様がある種類が多い | 花によく集まり、飛ぶときは上翅をあまり開かない |
カナブンの特徴

カナブンは頭部が四角いのが最大の特徴です。クヌギやナラなどの樹液を好み、飼育では昆虫ゼリーもよく食べます。
コガネムシの特徴

コガネムシは頭も体も丸みがあるのが特徴です。種類によっては植物の葉や根を食べるため、農業害虫として知られるものもいます。

ハナムグリの特徴

ハナムグリは上翅に白い斑点や模様がある種類が多く、花の蜜や花粉を食べます。また、飛ぶときは上翅を大きく開かず、左右の隙間から後翅を出して飛ぶという特徴があります。

カナブンのオス・メスの見分け方
カナブンのオス・メスの違い。赤枠で囲った部分に縦筋があるのがオス、縦筋がなく滑らかなのがメスです。


カナブンの飼育方法


カナブンの飼育方法はとても簡単で、基本的にはカブトムシと同じ飼育方法で大丈夫です。初心者でも必要なものをそろえれば、すぐに飼育を始められます。
まずは昆虫用のプラケースにカブトムシ用の飼育マットを5~10cmほど敷き、乾燥しないよう霧吹きで軽く湿らせます。水を入れすぎるとカビやダニの原因になるため、握ると軽く固まる程度の湿り気が目安です。
次に、転倒したときに起き上がれるよう、樹皮や朽木、樹皮マットなどを入れて足場を作ります。最後に昆虫ゼリーや樹液を入れれば、快適な飼育環境が完成します。
飼育に必要なもの
- 昆虫用プラケース
- カブトムシ用飼育マット
- 樹皮・朽木・樹皮マット(転倒防止)
- 昆虫ゼリー
- 洗浄瓶
※飼育時の注意点
カナブンは高温に弱いため、飼育ケースは直射日光の当たらない風通しの良い場所に置いてください。
特に真夏はケース内の温度が急上昇しやすく、カナブンが弱ったり死亡したりする原因になります。室温が30℃を超える日は、エアコンを使用して25~28℃程度を目安に管理すると安心です。
また、飼育マットが乾燥しすぎないよう、洗浄瓶で適度な湿度を保つことも長生きさせるポイントです。
カナブンの幼虫飼育方法
カナブンの幼虫は、近年の研究でクズが繁茂した場所にできる腐葉土を主な餌として成長することが分かってきました。
カナブンが産卵したら、カブトムシ用の発酵マットに細かく砕いたクズの葉を混ぜることで、幼虫が育ちやすい環境を作ることができます。
一方、アオカナブンやクロカナブンの幼虫は、カブトムシ用の発酵マットだけでも飼育が可能です。乾燥を防ぐため、マットは軽く握ると固まる程度の適度な湿り気を保ちましょう。
また、幼虫のフンが増えてきたり、マットが黒く劣化してきたりしたら、半分ほど新しいマットに交換すると、幼虫への負担を抑えながら清潔な環境を維持できます。

カナブンの産卵準備と床材の作り方
カナブンのメスを捕まえた場合、すでに交尾を終えていることが多く、飼育ケースに入れると産卵することがあります。
近年では、カナブンの幼虫はクズ(葛)の葉が混ざった腐葉土を好んで育つことが分かってきました。そのため、カブトムシ育成マットと葛の葉を重ねて、産卵しやすい床材を作ってあげましょう。
このような床材にすることで、メスが産卵しやすくなり、孵化した幼虫も自然に近い環境で育てられます。
※注意:アオカナブンとクロカナブンは、カブトムシ育成マットのみでも幼虫を飼育できます。葛(クズ)の葉は必須ではありません。
①カブトムシ育成マットを薄く敷きます。

②その上に葛(クズ)の葉をたっぷり敷き詰めます。

③さらにカブトムシ育成マットを重ねます。

④この工程を何層にも重ね、全体の厚さが約10cmになるようにします。

カナブンの餌は何?
カナブンの餌には、昆虫ゼリーがおすすめです。野生ではクヌギやナラなどの樹液や熟した果実を食べていますが、飼育では昆虫ゼリーだけで元気に育てられます。
昆虫ゼリーにはさまざまな種類がありますが、高タンパクで栄養バランスの良い昆虫ゼリーを選ぶと、カナブンの健康維持や長生きにつながります。価格の安いゼリーの中には、水分が多く栄養成分がシンプルなものもあるため、品質を確認して選ぶのがおすすめです。
私は、カブトムシやクワガタにも使用できる高タンパクタイプの昆虫ゼリーを与えています。食いつきが良く、管理もしやすいため、初心者にもおすすめです。
なお、スイカやキュウリは水分が多く栄養が偏りやすいため、主食として与えるよりも昆虫ゼリーを中心に与えることをおすすめします。


ゼリースプリッターがあると便利
昆虫ゼリーを容器ごと半分にカットできる「ゼリースプリッター」があると、とても便利です。
ゼリーを半分にすることで餌代の節約になり、カットしたゼリーはそのままケース内に置くだけなので手間もかかりません。少数のカナブンを飼育する場合は、ゼリーを無駄なく使えるおすすめのアイテムです。
※プロゼリー専用のゼリースプリッターです。
半分カットした昆虫ゼリーには専用エサ皿がおすすめ
昆虫ゼリーを半分にカットしたら、半分カット専用のエサ皿があると便利です。
ゼリーが倒れにくくなり、ケース内も汚れにくいため、カナブンが安定して餌を食べられます。ゼリースプリッターと一緒に使用すると、より快適に飼育できます。
カナブン アオカナブン クロカナブンの飼育に必要な物

飼育に必要な物
昆虫用の飼育ケース
カナブンの飼育には、通気性のある昆虫用プラケースがおすすめです。
昆虫を飼育していると、飼育マットや餌からコバエが発生することがあります。特に夏場は増えやすいため、コバエ対策ができる飼育ケースを選ぶと安心です。
おすすめは、**コバエの侵入や発生を抑えやすい「コバエシャッター」や、蓋まで透明で観察しやすい「クリアスライダー」**です。
カナブンの動きや餌を食べる様子を観察したい方には、透明度の高いケースが向いています。
カナブンは力が強く脱走することもあるため、蓋がしっかり閉まるケースを選びましょう。
複数のカナブンを飼育したい方や、樹皮・朽木などを入れて自然に近いレイアウトを楽しみたい方には、広めの「コバエシャッター 中」がおすすめです。
飼育スペースに余裕があると、カナブンが動き回りやすく、観察もしやすくなります。複数飼育では、狭いケースよりも広めのケースを選ぶことで、カナブン同士の接触も減らせます。
透明で観察しやすいクリアースライダー ラージ
カナブンの動きや餌を食べる様子をじっくり観察したい方には、クリアースライダー ラージがおすすめです。
蓋も透明になっているため、上からでも横からでも観察しやすく、カナブンの美しい体色や行動を楽しめます。
また、ケース内の様子が確認しやすいため、餌交換や飼育環境のチェックも簡単です。複数飼育や樹皮・朽木を使ったレイアウトにも向いています
カブトムシ用の床材
カナブンの飼育には、カブトムシ用の育成マットがおすすめです。
カブトムシの幼虫飼育用に作られたマットは、腐葉土などを含み、カナブンの飼育環境にも適しています。
また、産卵を狙う場合は、成虫飼育の段階から幼虫飼育に使用できるマットを入れておくと、卵や幼虫が見つかった後も、そのまま育てられるため便利です。
床材は乾燥させすぎないように、霧吹きで適度な湿り気を保ちましょう。
足場になる樹皮マット
カナブンは、ひっくり返ると平らな床面では起き上がれないことがあります。
そのため、飼育ケース内には樹皮マットや樹皮、朽木などの足場を入れてあげましょう。
足場があることで、転倒したカナブンが自力で起き上がりやすくなり、体力の消耗を防ぐことができます。また、隠れ場所にもなるため、カナブンが落ち着いて過ごせる環境になります。
長いピンセット
カナブンの飼育では、メンテナンス用の長いピンセットがあると便利です。
昆虫ゼリーの交換や食べ残しの除去、飼育ケース内の掃除をするときに役立ちます。
手をケースの中に入れなくても作業できるため、カナブンを驚かせにくく、衛生面でも安心です。特に深さのある飼育ケースを使用している場合は、長いピンセットがあると作業が楽になります。
洗浄瓶

カナブンの飼育では、床材の湿度管理に洗浄瓶があると便利です。
霧吹きを使う方法もありますが、ケース内で直接噴霧すると水滴や音でカナブンに刺激を与えることがあります。
洗浄瓶なら、床材に向かって少量ずつ水を加えられるため、カナブンを驚かせずに適度な湿り気を保つことができます。
また、水の量を調整しやすいため、マットを湿らせすぎる失敗も防ぎやすくなります。
まとめ|カナブンは初心者でも飼育できる魅力的な昆虫
カナブンは、緑色や銅色に輝く美しい体が魅力の昆虫です。
飼育方法は難しくなく、昆虫用のプラケース・カブトムシ用飼育マット・樹皮などの足場・昆虫ゼリーを用意すれば、初心者でも簡単に飼育を楽しめます。
日本には、カナブン・アオカナブン・クロカナブンの3種類が生息しており、それぞれ体色や光沢に違いがあります。特にアオカナブンは見る角度によって色が変化する美しさがあり、クロカナブンは黒い光沢が魅力です。
また、カナブンは成虫だけでなく、幼虫の飼育や繁殖にも挑戦できます。産卵を狙う場合は、カブトムシ用育成マットを使用すると、そのまま幼虫飼育へ移行できるため便利です。
夏の雑木林で見つけたカナブンを、ぜひ自宅でじっくり観察してみてください。美しい体色や活発に動く姿を楽しめる、初心者にもおすすめの昆虫です。
飼育に必要な物 お買い物リスト
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