全体が漆黒でカッコよく、しかも黒猫みたいでかわいいという魅力的なタランチュラ。
英名ブラジリアンブラックはとてもおとなしく、タランチュラ飼育初心者におすすめです。
また、タランチュラ好きの方からも、絶大な人気を得ているタランチュラです。
動きもゆっくりです。
普段はじっとしていますが、たま~にモソモソと動きます。
全く威嚇してこないし、刺激毛を持っているけど飛ばさない。
私は、今まで一度も刺激毛を飛ばされたことがありません。
そんな、大人しくてかわいいブラジリアンブラックを、ぜひ飼育してみてはいかがでしょうか?
それではブラジリアンブラックの紹介と飼育方法を詳しく解説していきますね。
ブラジリアンブラックの紹介
- Grammostola属
- 学名:Grammostola pulchra
- 生息地:ブラジル平野部 ウルグアイ南部
- 地表棲
- 体長:7㎝前後 レッグスパン17㎝前後
- 飼育温度:25℃~28℃
- 湿度環境:70%程度
- 成長速度:小さいうちは早いですが、少し大きくなるとゆっくりです。オスで3年ほど、メスで7年は掛かるそうです。ゆっくり成長を楽しみましょう。
- 性質:おとなしい。刺激毛はほとんど飛ばさない。私の飼育しているブラジリアンブラックは一度も飛ばしたことがありません。
- 人気:とても人気が高く、特にメスは成長も遅く長生きするので高値が付きます。
- 餌食い:食べるときはめちゃ食べるし、いらないときは全く食べない。この食べない時期が飼育者にとって面白くないと思うか、手間が掛からないのでいいんじゃないと思うかは飼育者次第ですね。私はそれも含めて楽しんでいます。
ブラジリアンブラックの毒は危険?
牙にある毒
ブラジリアンブラックに限らず、タランチュラの毒性は非常に弱く、人が死に至るほどの危険はありません。
理由はタランチュラの毒がタランチュラトキシンという毒ですが、人間にはその毒が作用しない、つまりあまり効かないのです。
ただし、効かないと言っても死に至るほど効かないだけで、噛まれればヒリヒリして腫れるます。ひどいと発熱や筋肉の痙攣が起きたりします。長いと1・2週間続くということなので、絶対にハンドリングはしない様にしましょう。
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万が一のためにタランチュラ飼育者は毒吸引器を常備しましょう。
もう一つの毒?
もう一つ、毒ではないのですが、腹部に刺激毛をもっていて、危険を感じると脚で腹部を蹴り細かい毛を飛ばしてきます。 その毛が空中に漂い皮膚に刺さると人によって症状はさまざまですが、激しい痒みを感じます。
Grammostola属は刺激毛をもっていますが、私は一度も飛ばされたことがありません。
Brachypelma属はちょっとケージに振動を与えたり、床材交換など行おうとするとバンバン刺激毛を蹴ってきます。そのせいで、すぐに腹部が無毛状態になってしまいます。
ブラジリアンブラックの寿命は?
オスで3年~4年、メスは長寿で10年以上と言われています。これくらい長生きだと、飼育環境で寿命もかなり差が出るでしょう。大切に育てたいですね。
ブラジリアンブラックの飼育に必要なものは?
飼育容器(ケージ)
ブラジリアンブラックには爬虫類用のケースがおすすめです。
理由は、一番カッコよく見えるから。
●ブラジリアンブラックにはこのケース。三晃商会 SANKO レプタイルボックス サイズ:幅20×奥行30×高さ15㎝。
保温器具
飼育温度25℃~29℃。
一年中エアコンで室内温度を一定に保つ方法が一番ですが、無理であれば温室を用意しましょう。
温室の保温は園芸用ヒーターがおすすめです。サーモスタットとセットで使用しましょう。設定温度を一定に保ってくれるので管理がすごく楽。
注意:ケースの底を、爬虫類用の底面パネルヒーターで温めると、床材の水分が蒸発して湿度が高くなり危険です。
温室保温の記事を見てみる。☟
温度計・湿度計
タランチュラを健康に保つため、温度と湿度の管理は必ず必要になります。
床材
地表棲のタランチュラを飼育する場合床材の厚さは2㎝~3㎝程度で良いでしょう。
床材の必要性は、湿度を保つためと生体がリラックスできるためです。
床材の交換頻度は2か月に1回、1/3ずつ交換でいいと思います。ただし、餌の食べカスはお団子にます。それを放置したままではダニがわいてしまうので早めに取り出して下さい。
あと、タランチュラの糞は液体状でピュ~ってします。そのままにしておくと不衛生なので、糞で固まった床材と一緒に取り除いて下さい。糞の回数は数日に一回程度なのであまり神経質になるほどではありませんが、衛生上きれいにしておくのに越したことがありません。
◎タランチュラやクモ、サソリ・ムカデ専用に作られた床材 ジクラ ジョジョサンド が安心して使えますよ。
ジクラ ジョジョサンドを見てみる。☟
◎自分でブレンドするぜ!って方は、バーミキュライト6割:ピートモス3割(※酸性度無調整を購入すること):ダニ予防にくん炭1割(入れすぎは蜘蛛が嫌がります)の割合がおすすめ。
角のある床材は、常に床材の上で生活する地表棲のタランチュラの腹部に傷つけるおそれがあるので、私は使いません。
バーミキュライトを見てみる。☟
ピートモスを見てみる。☟
くん炭を見てみる。☟
長いピンセット
爬虫類用に販売されて30㎝程度の長いピンセット、これは餌やりに便利です。コオロギやゴキブリをピンセットで掴みタランチュラにそっと給餌して下さい。
脱皮殻などを取り除く際も生体との距離を保つことができるため重宝します。
水入れ
タランチュラは結構水を飲みます。水切れにより弱ってしまわないよう必ず入れて下さい。
また、いつ入れたか分からなような不衛生な水で飼育しないよう、新しい水に交換してやって下さい。
餌と種類は?
餌用コオロギ
ヨーロッパイエコオロギ・フタホシコオロギが主に流通しています。ただし、コオロギは雑食で何でも食べ顎の力もあるので、生体を傷つけないよう、後ろ脚をカットし、タランチュラをかじらないようコオロギを少し弱らせてから与えましょう。食べなかったらすぐケージから出して下さい。
デメリットは、鳴くのでうるさい。あと、すぐ死にます。放置して腐敗すると結構臭いよ。
餌用ゴキブリ
レッドローチ:小型で動きが速く、床材に潜らないのでタランチュラの反応が良い餌です。
つるつるの垂直の壁を登ることができないので脱走も心配ないのがメリットです。
一方デメリットは独特の匂いで、部屋中が悪臭レベルの臭いで充満します。コオロギとは違った、足臭いにおいと油臭いにおいをたした何とも言えない臭いです。
デュビア:小さいサイズから大きいサイズまで手に入り、レッドローチと同じく壁は登れません。さらに匂いも少なく優良な餌です。
一方デメリットは動きがゆっくりでタランチュラがデュビアに気付かないことが有る。また、床材に潜るので、どこにいるか分からなくなってしまいます。
私はメスと比べればまだ動きが速いオスのデュビアを餌にして、メスは繁殖用にしています。さらにデュビアはお腹で孵化し子供を産むので勝手に増えます。見た目はオスはゴキブリですが、メスや幼体は羽が無く大きいダンゴムシみたいなのでまだ触るのに抵抗は少ないかもしれません。
一番臭わないほうですが、水分の多い野菜や動物性の餌を多めに与えたり、暑い時期は死骸を放置すると悪臭がします。やはり生き物なので臭いはします。
ミルワーム・ジャイアントミルワーム
ミルワームも餌になります。メリットはコオロギやゴキブリに比べると扱いやすいし脱走しにくい。
一方デメリットは動きがゆっくりなのでタランチュラの反応は良くありません。また、床材にすぐ潜ろうとします。他の餌が手に入らに時に与えるくらいがいいと思います。見た目は細長い芋虫。
ブラジリアンブラックの飼い方
餌やりの頻度は?
小さいうちは食べるだけ与えればどんどん脱皮して成長します。逆にアダルトサイズに近づくにつれ食べたいときだけしか食べなくなります。
タランチュラ全般に言えることですが、空腹に耐える力が強いのでエサ不足でお星さまになる可能性は低いと言えます。そういえば最近餌やってないなー・・・くらいで十分。
大きくなってきたら一週間に一度与えてみて下さい。空腹なら餌を入れた瞬間食べてくれます。いらなかったら全く反応しません。
食べなかったら、また一週間後で十分。
餌がタランチュラを反撃しないようケージから出して下さい。
拒食したら?
先週まで餌を食べてくれていたのに、全く食べなくなったな・・・ブラジリアンブラック(タランチュラ全般)はしょっちゅうです。
一週間後また餌やりして食べなかったらまた次の週に与え、それでも食べなかったら満腹か、脱皮前の拒食期間に入った可能性大です。
大きさによって脱皮前の拒食期間に差があります。幼体の1週間からアダルトサイズで長い場合は数か月なんてことも。焦らず気長に待ちましょう。
どうやって脱皮するの?
地表棲のタランチュラの脱皮は床材の上で仰向けになり脱皮します。
初めて脱皮の姿を見た飼い主はびっくりしてかまいたくなるのですが、焦らなくて大丈夫。ゆ~っくり時間をかけて脱皮します。心配なのは、たまに脱皮の下手な個体がいます。それはうつぶせ状態で脱皮を初めてしまう子です。高い確率で脱皮不全となります。そうなったらそ~っと仰向けにしてやって下さい。
脱皮後は体がふにゃふにゃなので、体がある程度固まるまで仰向けの状態でだら~んとしています。アダルトサイズになると一日以上動きません。というか動けません。決して弱っているのではありません。無理に反対向きにすると脚が曲がってしまったり最悪お星様になります。
タランチュラの死因の一つがこの脱皮不全。命がけなんですね。
温度管理は?
温度計は必ず設置して下さい。温度は25℃から29℃くらいで良いでしょう。
夏場は大丈夫と思ってもエアコンの設定温度が低いと低温になり弱ってしまうので、通年ヒーターはセットしておいた方が無難です。サーモスタットで設定しておけば勝手に温度調整してくれます。
湿度管理は?
湿度管理は床材を湿らせるのが基本となります。湿った場所と乾燥した場所を作るようにして下さい。タランチュラが気に入った場所に移動できるからです。全て湿っていたり反対に乾燥している環境で飼育するとストレスになる可能性があります。
タランチュラ飼育に湿度が必要ですが、あまりにも湿度が高い状態で飼育すると危険です。つまり蒸れには弱いということです。床材を握ると水が染み出るほど入れないで下さい。湿度90%から100%は危険です。
床材を湿らせる場合に霧吹きはあまりよくありません。タランチュラに水が掛かるとびっくりして走ります。ピンポイントで給水できる洗浄瓶をおすすめします。
照明は必要?
タランチュラに日光浴の必要はない。逆に眩しいほど明るいのは嫌がりストレスになります。よって照明は要りません。室内の明かりで十分です。
注意する点は?
絶対に脱走させないこと。
飼育容器の紹介でも触れましたが、万が一脱走したら、ニュースになるほど大騒ぎになってしまう可能性が有ります。厳重な環境で飼育して下さい。
餌の脱走にも注意が必要です。販売されているコオロギやゴキブリは外来生物となります。一部の地域では繁殖が確認されたとか・・・。生態系を崩す恐れがあります。管理には注意して下さい。
ハンドリングは絶対やめましょう!
YouTube動画でハンドリングをアップしている方が見えます。いくら毒性が低いからといってもまねしない様にしましょう。あくまで有毒種です。アラフィラキシーショックで救急搬送なんてことになったら大変です。ハンドリングは絶対ダメ。
自然界の虫を与えない!
自然界に生息する虫は除草剤や消毒の成分を食べているかもしれません。お腹に寄生虫が宿っている可能性もあります。絶対に与えないで下さい。餌代をケチってはいけません。
餌のエサに注意!
餌用のゴキブリやコオロギは雑食なので何でも食べます。その食べたものはそのままタランチュラの栄養になります。ネギ・ニラ・ニンニク等、刺激物を含んだ野菜、加工食品など添加物が入った物を餌のエサにすると、間接的にタランチュラの体内に吸収されてしまうので食べさせないようにして下さい。
ペットの臭い対策はどうしたらいいの?
ペットを飼育していると、部屋の臭いが気になりませんか?
窓を開けっぱなしするわけにはいかないし、消臭剤はいまいち。ほとんどの空機清浄機はオゾンやイオン、次亜塩素酸を放出して除菌、消臭します。
オゾンやイオン、次亜塩素酸は放出量によってペットに悪影響を及ぼす危険性があります。
私がいろんな空気清浄機を調べ、実際に使ってみて、自信をもっておすすめする空気清浄機を見つけました。
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ブラジリアンブラックを飼育してみよう まとめ
ブラジリアンブラックいかがでしょうか?私はこの漆黒のタランチュラに一目惚れし、初めてベビーを迎えたのがこの子です。大人しくまったりゆっくり成長を楽しむのにもってこいの種類ですよ。
注意する点は、脱走させない・ハンドリングは絶対ダメ・自然界の虫を与えない・餌のエサに注意。
飼育する以上最後まで責任をもって飼育していただくようお願いいたします。
どうか皆様がタランチュラライフを楽しめるよう心より応援しております。
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